入試でも英検・TOEICでも合否とスコアを決める大きな要素の一つは語彙力でしょう。その語彙の増やし方にも、一時しのぎの方法ではなく先々役に立つやり方があります。
覚えないといけない英単熟語とそれに対応する意味を一つ一つ暗記していくのが通例かもしれません。しかし、そのやり方だと、試験問題をしているとき、よくある多義語があるものに出くわしたときなど、「あっ、この単語、見たことあるけどなあ、知ってるんだけどなあ。なんて意味だっけ」と思考停止状態になってしまうことがあるでしょう。
英単語熟語帳を使っている場合、先ず試して欲しい方法があります。それは、最初に皆さんが使っている単語帳の例文を見て、これから覚えたい単熟語の意味を推察してみることです。それから初めて暗記する作業に入るのです。何故かといいますと、入試問題や英検などの問題では知らない言葉が必ず出てくるからです。単熟語を覚える過程で、普段から文脈の中で意味が割り出せる推理力を磨いておくことが、大切になってきます。それと同時に、survive「生き残る、~より長生きする」という語をsur-「越えて」と-vive「生きる」のように単語を意味の要素に分けて捉えるのも記憶の効率を上げるやり方です。
もう一点大事なことは、音声サポート付きの教材を使い、ネイティブが個々の単語を、また文章の中でそれをどのように発音しているのか、聞き慣れ、発音練習もしておくことです。眼だけで覚えたつもりでいても、リスニング問題でその単語が出てきてもわからないことがよくあるからです。耳を使って覚え、発音練習もしておくことは記憶の定着の手助けになります。そのようにして覚えた言葉は記憶に中にとどまっている期間も長くなり、将来にも結び付きます。
そして、自分がやるんだと決めた教材は、最低3回は繰り返し使いましょう。英語が得意な先輩たちが、ぼろぼろになった単熟語帳をもっているのを見かけたことがあるでしょう。あなたも「オレ、単語帳がぼろぼろになるまでやったでぇ」とか「私の使った参考書は*dog-earedよ」なんて後輩に誇らしげに言ってやりましょう。
ここで大事なのは、2回目、3回目にその教材を使うときは、リスニングから入っていって、後で意味と綴りを確認するのがいいでしょう。また2回目からはピッチを上げていきましょう。
推薦単語帳としてアルクの「キクタンリーディング」のAdvanced 6000語レベル(中堅大以上)、及びSuper 12000語レベル(難関大向け)がいいでしょう。「キクジュク Basic 1800」(中堅大以上)、及び「キクジュク Super 3600」(難関大向け)もお薦めです。
桐原書店の「Data Base 4500」(中堅大以上)、及び「Data Base 5500」(難関大向け)も推薦できる単語帳です。必須単語と熟語が一冊にまとまっていますから、単熟語の本を別々に買わなくてもいいという利点があります。
*dog-eared: 本のページの隅が折れていたり、角が傷んだりしている