小学校から英語は面白くて、楽しく学んでいるんだけど、どういうわけか中学で点数が取れないという声をよく耳にします。どうすればよいのでしょう。
これは、スポーツをただ楽しんでいるだけで、試合には勝てないといった状況によく似ています。勝つためには、十分な対策を立て、それを実行して初めて得点し、勝利することが出来るのです。
英語学習も同じで、得点対策があります。それを地道に実践すれば、点数が上がってきます。多くの場合なかなか点数に結びつかない原因は、語句の意味も綴りもあやふやな上に、文の根本的な構造と意味が分からないまま、「なんとなく英語を勉強した」状態が続いているということにあります。
中学英語における得点、必勝の法則は、英文の意味を理解し、ひたすら本文をインプットすることにあります。中学レベルでは、単語や文構造はさほど難しくありませんから、文法規則と文意が確認できれば、とにかく英文にいろいろな形でアプローチし、頭に染み込ませていくのが正攻法です。単語の意味や綴りも、英文を覚える過程で習得していきましょう。
例えば、教科書の本文でTina needs something more practical than that.「ティナはそれよりもっと実用的なものが必要だ」という英文があったとします。
(1)これをいわゆるneedsにおける三・単・現の-s、SVOの語順、somethingと形容詞の位置の関係、比較級などの文法規則に気をつけて意味をしっかり確認します。
(2)本文を5回音読します。
(3)本文を2回書いてみます。
(4)本文を見ないで、2回その文を声に出して言ってみます。
※こうした作業の前と後には、必ずその課の本文全体のリスニングをやっておきます。
※同じ英文でも上記のようにアプローチの仕方を変えれば、自分の盲点が見えてきます。
(5)この本文のインプットが完成するまで、この作業を繰り返します。
こうしたやり方でコアになる英文を頭にしっかり叩き込めば、そこから派生していろんな問題が出来るようになります。例えばこの文を応用した(a) Bob eats something ( ) delicious than that.といった空欄補充問題とか、(b) Susan (more / says / that / interesting / than / something).といった並べ替え問題、さらには(c)「ケンはそれよりもっと大事なことを知っている」といった和文英訳問題の解答も、スイスイ出来るようになります。(答えは巻末)
英文を覚える習慣が出来ると、新しい文を吸収することがだんだん楽になって、英語学習に好循環が生まれます。練習こそが完璧の母です。Practice makes perfect.です。
[解答](a) Bob eats something ( more ) delicious than that.「ボブはそれよりもっとおいしいもの食べる」、(b) Susan says something more interesting than that. 「スーザンはそれよりもっと興味深いことを言う」、(c)Ken knows something more important than that.