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イイ発音はあなたを救う<その2>

発音を練習するとき、イギリス英語かアメリカ英語かということになりますが、日本では戦後の長い英語教育の歴史においてアメリカ英語が主流となってきたため、発音教材もアメリカ英語が大半ですから、そちらの方を練習するケースが多いようです。

アメリカ型の英語はカナダを含め北アメリカの非常に広い範囲で話されていても、ほぼ発音は標準化されています。アメリカ人とカナダ人が話してもほとんど発音については互いに何の違和感もなくコミュニケーションが取れます。それどころか、互いに相当長い時間話さないとどの州の、またどちらの国の出身なのかわからないことがあるくらいです。それに対してイギリス英語はRP(=Received Pronunciation:容認発音)がありますが、歴史上階級によって異なった話し方をする名残があり、また地域によっても多種多彩な方言が存在します。そのためか、イギリス人のほうがアメリカ人より「英語の変種」に寛容です。アメリカ英語は前述のように広い範囲で標準化されているので、イギリス英語を聞くと異種の言語であるかのように皮肉っぽく、ふざけて物まねをするアメリカ人もいます。これは、関東人が関西のことばを茶化して真似る現象に似ています。

話が少し逸れてしまいましたが、そうした訳でアメリカ英語の発音で話したほうが、どこででも受け入れてもらい易いでしょう。 アメリカ式発音で特に注意したいのは、音節末尾の -er や -ir などを/ə:r /、語尾の -erを/ər /のようにrを入れて発音することです。この r の発音がアメリカ英語をアメリカ英語らしくしているため、結構レベルの高い人でも、とにかく r 音をどこにでも入れればそれらしく聞こえると思い違いをされている学習者がいるようです。例えば、Beth has a villa in Florida. /béθ hæzə vílə inflóridə/ を、/bés hǽr bírər iŋfrərídər /(下線部は発音間違い)のように r 音はFloridaという語の中に1か所にしかないのに6か所もr音を入れて発音してしまいます。またBeth /béθ/ の /θ/、villa /vílə/ の /v/ と /l/、そして、in /in/ の /n/ にも気をつけたいところです。それと、Floridaのアクセントも要注意です。

上の例は、極端な例かもしれませんが、ストライクゾーンに入っていないので気をつけましょう。英語の発音は大変難しいですが、最低限気をつけておかなければならないのは、light と right、sink と think、voteとboat、caught と coat等、カタカナで表記した場合同じようになってしまうことばの発音の違いでしょう。

また、日本語は上がり下がりのピッチの言語なのですが、英語は強弱のリズムの言語なので表現を覚えるときや、音読をするときはリズムを意識して発話するようにしましょう。例えば、I was just about to call you.「ちょうどあなたに電話しようとしていたところです」は、便宜上カタカナで表記しますが、「ワズジャスタバウトウコーリュー」のように発音します。◯◦◯◦◯◦◯◦といったリズムで言えるでしょうか。試してみてください。

上述のことを丁寧に練習できる本を2冊ほどご紹介しておきましょう。

① 英語の発音トレーニングBOOK 明場由美子著 西東社

② <フォニックスで>きれいな英語の発音がおもしろいほど身につく本 ジュミック今井著 明日香出版社

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