次の日本語を英語で表現してみましょう。(推薦図書「日米口語辞典」より)
(1) 「愛着がある」be attached to ~
「私はあの古い書類かばんに強い愛着があって、持っていないとどうも落ち着かないんですよ。」であれば、I’m so attached to that old briefcase that I don’t feel right without it. ですが、ここで「持っていないと落ち着かない」をI don’t feel right without it. としているのも、名訳ですね。また、have an emotional attachment to ~ という表現法もあります。「エマはぬいぐるみに今でも愛着がある」だと、Emma still has an emotional attachment to stuffed animals.と言えるでしょう。
(2) 「青天井」The sky is the limit.
「どれくらい貸していただけますか」「おたくなら青天井です」であれば、“How much may I borrow?” “For you, the sky’s the limit.” です。この表現を応用して、「私に出来ないことはない」であれば、The sky’s the limit to what I can do.となります。
(3) 「あおり運転」road rage
「あおり運転は非常に危険なため、厳罰が適用されるようになった」Strict penalties have been introduced for road rage because it is extremely dangerous. また、「危険運転をする人」であれば、road rangerと言えるでしょう。「こちらに来る途中危険運転をする人に後ろにピッタリくっつかれてあおられたよ」であれば、I was tailgated by a road ranger on my way over here. です。
(4) 「悪循環」a vicious spiral
「ジュディは減量に成功したが、うれしくてお祝いに豪勢な食事をしたので、またすぐにリバウンドしてしまった。悪循環だね」をJudy lost weight and was so happy that she celebrated with a big dinner and put on weight again. What a vicious spiral!と表現しています。ここで、Judy lost HER weight…にすると体重がなくなってしまったことになりますから、注意しましょう。Joe lost face. 「ジョーは面目をなくした」もそうです。代名詞の使い方も厄介ですね。
<ひとこと> 「日米口語辞典」の著者の松本道弘先生は昨年3月に逝去されました。同氏は同時通訳者として活躍されただけでなく、日本の英語研究の既成の枠を打ち破って、真の通じる英語、英語らしい表現法を研究し広く伝えられました。英語教育に多大な貢献をされたことに改めて敬意を表すると同時に、心よりご冥福をお祈りいたします。