-erを付けて比較を表す形容詞にmoreを付けると意味が変わります。例を挙げて説明しましょう。
(a) Koji is a brighter student than I am.
(b) Koji is more bright than (he is) diligent.
(c) Koji is more than bright. He is brilliant.
(a)はよく見かける-er型の比較級で、「浩二は僕より頭がいい」という意味ですね。
(b)のようにbrightにmoreをつけることもできます。どんな意味になるでしょう。これは「浩二は勤勉というより頭がいい」という意味になります。つまり、この場合他の人と比較しているのではなく、程度比較でbrightである度合いがdiligentである度合いを上回っているということです。
次に、(c)のmore than 形容詞の形があります。これは「浩二は頭がいいどころではない。きわめて優秀だ」の意味で、brightと言える度合いを超えていることを表しています。
以上のことを踏まえて、次の日本語を英語にしてみましょう。
[1] 電車が遅れていることに、私より怒っている乗客もいた。
[2] 電車が遅れていることに、いらいらしているというより怒っている乗客もた。
[3] 電車が遅れていることに、怒りを通り越している乗客もいた。
[解説]
[1]は「私より」と比較対象がありますから、angrier than ~の形です。「電車の遅れ」はthe delay of the train、「~に怒っている」はbe angry with ~で考えて下さい。
[2]は主語の心理の程度がangryと言えるのかannoyed(イラついている)と言えるのかということですから、more angry than annoyedの形にします。
[3]は心理状態が、angryということばでは表せないという状況ですから、more than angryとします。
[解答例]
[1] Some passengers were angrier than I was with the delay of the train.
[2] Some passengers were more angry than annoyed with the delay of the train
[3] Some passengers were more than angry with the delay of the train.
<ひとこと>
この3つの形はひょっとしたら入試で「ヒカク三原則」として出るかもしれませんというのは冗談ですが、微妙な意味の違いに気をつけて下さい。